2009年10月25日

 プロフェッショナル 合コンの流儀

「最近ブログ更新してないじゃん?」という声があってYo、やっぱ、このブログにもニーズがあるんだと身に染みてね、くぅ〜、ほんと感動したZe(;_;)

まあ実は、更新するネタがないわけじゃなくてNa。友人から『東京ファイティングキッズ』という本を勧められたので、その感想でも書こうかと思ってたわけDa。
で、まずは気になった箇所、ハイライトをピックアップ!

 他人とともに生きてゆくということは、当然のことながら様々な我慢と妥協そして共感と信任といったアンビヴァレントな関係性を引き受けることです。それをあたりまえのこととして自分の風景のなかに取り込んでゆくことだとおもうのですが、どうも他人というものが「異物」でしかないような「個」が生まれつつあるような気がします。このホッブス状態って、消費文明の行き着いた「病巣」のように思えます。ここでは、確実に知性というものが減衰しているように見えます。
 というのは、人間の言葉とか知性といったものが鍛えられるのは、言葉が通じないという経験や、知性が及ばない集団や共同体との交流ということの中にしかないと思うからです。
 言葉が通じない、なかなか判ってもらえないというところではじめて「情理を尽くして語る」という言葉づかいが生まれてきて、そういった言葉の交流のなかでこそ、相手に対する信頼や承認ということも意味をもってくるのだと思います。
 言葉が通じる、自分の考え方がすべて理解されるという場所では、言葉は限りなく堕落してゆきます。自分が属している共同体の中で自己完結するだけでなく、共同体の外に対しては排斥力を育ててゆきます。自分たちだけの符牒としての言葉は、それを使わないひとたちを敵として、あるいは異物として排除するための差別指標へといともたやすく転化してしまうということをぼくたちはずいぶんたくさん見てきたわけです。
 他人も自然も、そこに自分が存在する以前から「在る」という認識が「共存」するという発想につながってくるのだと思います。
 そして、自分が存在する以前から存在しているものに対しては、どんなに理解不能な、わずらわしい存在であったとしても、かれらの先住権を認めるというのが、インテリジェンスをもった人間のマナーというものであると思うわけです。(p122-123)

とか、

 これまでも繰り返し語っていることですけれど、自分の言葉が通じ、自分の感受性が共感され、自分の価値観を共有してくれる相手とであれば、誰だって共生できます。だから問題はそんなところにはないのです。
 メディアは「言葉が通じる相手、感受性が共感できる相手、価値観が同じ相手」だけで構成されたメンバーズオンリーの閉じられた小さな共同体を作ることがいかに「気持ちのよいこと」かを繰り返しアナウンスしています。
 そりゃ、たしかにそういう小集団の中でぬくぬくしているのはさぞや「気持ちがいい」ことでしょう。でも、それだけでは「社会」は成立しません。
 いまの国際政治の危うさは、「価値観が同じ相手」とだけパートナーシップを組み、ことばが通じない相手を「境界線の向こう」に排除しようとする恐るべき「単純主義」(sinplisme)が支配的なイデオロギーになっていることです。
 あるイデオロギーが「支配的なイデオロギー」と呼ばれるのは、それを批判する言説でさえもが、そのイデオロギーに固有の言葉づかいをしてしまう時に限られます。・・・(中略)・・・
 社会関係を構築するということは、端的に言えば「不快な隣人」を排除することを自制することです。「不快な隣人」はたしかに不快です。それを好きになれと言ったって無理です。でも共生しなければならない。だとすれば、「好きな人とだけ共生する」という身勝手な原理は退けられねばなりません。
 いまの社会でいちばん欠けていることの一つは、「不快な隣人と共生するためのマナー」でしょう。(p131-132)

とか、ほんと何?
いいじゃねえか!?

言葉が通じる相手だけ、気が合う仲間だけで、楽しんだっても、いいじゃねえか!?
そういうワイドなコミュニケーションを要求する今の社会の風潮が、海外駐在員の自殺とかを、招いてるんじゃないのかい?

だって疲れるでしょ?
やれ「世代の違う人と触れ合うことは大事」「文化が違う人と触れ合うことで見えてくる自分がある」だの、そういう話は聞きあきたZe。
わかってるっつーの。

グローバリズムとかを批判している箇所とかもあるが、この「共生」に関する箇所に関しては、グローバリズムという価値観に迎合してるんじゃねえのか?この本の2人は?
そう思わないかい?
なぜ「不快な隣人と共生する能力」が大事なの?

結局、何を求めてるかってのが知りたいのね俺は。
「不快な隣人と共生するマナー」を身につけることで、何が得られるかって話ですYo。

けどその点に関しては、全然掘り下げてなかったNa。
「何かを得るために身につけるわけじゃない」ってか?

いや違う。必ず得られる、もとい、得られる可能性が高くなる、特に"金"は!
そう、「金を生むため」だろ?

狭い地域に閉じこもってたんじゃあ、市場はすぐに飽和しちまう。だから新たな市場を開拓するため、新たな工場を建てて現地人を低賃金で雇うため等で、必要なんだろう?「不快な隣人と共生するマナー」ってやつが?ワールドワイドなコミュニケーション能力が!

だから英語とかやらせるんじゃないのかい?
「不快な隣人」とも共生する能力を見つけて、異文化交流して、世界の情勢を把握して、金脈を発掘しろYo〜的な、文科省のカリキュラムと言ってること同じじゃねえの?就職セミナーとかでよく聞く話と同じじゃねえか?
つまんねえ話だZe(笑)

『東京ファイティングキッズ』とか言ってね、全然ファイティングしてねえっつーの!
既存の価値観を推奨してるだけYo。
すげえありきたりな話。

まあでも、ちゃんと読んでない、拾い読みしかしてないから、まだ「つまんねえ本」と断罪するわけにはいかない。しかも、せっかく勧めてくれたのに、バッシングだけで終わると、勧めてくれた当人もあんまいい気分じゃねえだろうからNa。
一緒に映画観に行って、「すげ〜よかった〜」って余韻に浸ってる時に、連れに「大した映画じゃねえな」って言われた時の気分Da。
自分の趣味・嗜好が否定されていい気がする奴なんていねえ。
だからちゃんと読んで、また次回更新するとき、もう1回この本を取り上げてみるかNa。

いや別に、言ってることが間違ってるとは思ってないの。
すげえ大事だと思ってるさ、そういうワイドなコミュニケーション能力、不快な隣人と共生する能力、この資本主義社会で生き抜くために必須の能力だと思うZe。

わかってる。行動には移せないけど、わかってるつもり。
だから「間違ってる」って感じてるわけじゃなくて、「つまんねえ」「無感動」「聞き飽きた」っていう感覚に近いNa。
そう、大事だよそりゃ〜

不快な隣人と共生する能力を身に付ければ、今よりも収入が上がるかもしれないし、今よりも幸せな生活を送れる可能性が高くなるだろうYo。

でも今よりも、死ぬ可能性も高くなるかもしれない。海外駐在員として中国で勤め続けて、気の合わない現地人とコミュニケーションをする必要性に迫られて、胃をやられるかもしれない。自殺したいぐらい気分が落ち込むかもしれない。

だからトレードオフの関係。「不快な隣人と共生する能力(≒金や名誉を手に入れる能力)」を求めると、「精神を病むリスク」も高まっちゃうと思うから、何もせず惰性の日々を過ごしているわけDa俺は。

いや、俺だけじゃない!お前もそうなんじゃないのか?気の合う仲間だけで、サークルの中だけでワイワイしてるだろうが!?

でもいい。
今回だけは、お前を肯定してやる。

ワイドなコミュニケーションを求める資本主義の風潮に、一石を投じてやるZe。

やっぱ俺はDJだから、その一石ってのは、石じゃなくてレコード盤なんだけどNa。

まあブログだからディスクは回せないということで、YouTubeから曲を。
曲名はスモール・サークル・オブ・フレンズ!

内向きでコミュニケーションの能力の低いお前を肯定してくれる、1979年のディスコナンバーDa。

まあ歌詞は、探したけど見つからなかったからよくわかんないが、たぶん「今夜は、いつものメンバーでワイワイしようぜ?」「仕事で気の合わない人と話すのはほんと疲れるわよね・・・でも今夜は違うの。あの時のメンバーで集まって、朝まで踊るんだ♪」的な、「不快な隣人と共生すべし」という価値観に対する、アンチテーゼだZeこの曲は。
スモールでいいじゃねえか!?たまには「小さな共同体」で、楽しんだっていいじゃねえか?

この反-資本主義的な曲を、1979年に既にリリースしてるって知った時、ほんとビビったね俺は。

対して、東京ファイティングキッズ的なナンバーをセレクトするならば、Underground Resistanceの『Hi-Tech Jazz』かNa。

URが掲げるスローガンは、本当にカッコいいね。
すごいハードボイルド、俺の居場所はアンダーグラウンドだけだZe!俺のレジスタンスに参加してくれ!ってね、はぁ〜言ってみたいNa〜。

テクノには、人種を超えて楽しめる可能性がある。決して、無機質な機械音の塊じゃねえぞと。俺達のレジスタンスは、『Nation 2 Nation』(民族から民族へ)、『World 2 World』(国から国へ)、『Galaxy 2 Galaxy』(銀河を越えて)響き渡る、音響革命なんDa!

まあそんなノリなのYo。

ただ、こういう考えもどうかと思うけどね俺は。

もちろん、この曲自体は素敵Yo。「デトロイト・テクノの最高傑作」って言われてるのも頷ける。
ただURのスローガンに安易に共感するってのは、"逃げ"なんじゃないかって。
「宇宙船地球号」だの、「地球市民」だの、「国境なんてない」みたいなヒッピー的な価値観に傾倒することで、自分の立ち位置を曖昧にしてんじゃねえのか?って思うのさ。
現実を見つめてない感じ。だいぶ前に、ケンコバが「落ち込んだ時、動物園に行くと癒される」ってテレビで言ってたが、それに近い。

宇宙だの人種だの国境だの、壮大なテーマ、日常から遠いテーマにフォーカスすることで、「はぁ、100g500円の肉とか買えんわ〜」とか、「今の俺の給料で、家庭とか作れんのかな」とか、もっと自分に関係のある些細な日常、自分の現状を、相対化して見つめることから逃げてんじゃねえのかって思うのYo。

だから結局、スモール・サークル・オブ・フレンズも、ハイ・テク・ジャズも、その価値観や世界観に共感することで、無意識的に自分のコンプレックスを肯定したり、自尊心を維持したり、自分を正当化したりしてるんじゃないかってね、最近思うね俺は。

とある女から、「あの人は確固たる価値観を持っているからステキなの」みたいNa、そういう話を小耳にしたせいもあったNa。
「そいつの価値観に価値なんてねえYo?0円だろうが!?」ってね、言いたかったZe俺は。
そうだと思わない?

その価値観が、そりゃURみたいに、ちゃんと音楽市場という俎上にあがって、多くの人が賞賛したり、経済的な利益を生んだりすりゃあ、「ああ、●●さんの価値観ってすごいな〜」って思えるYo。だって、ある程度の普遍性を持った"経済"という尺度で、利益を計上したという事実は、その価値観が相対的に支持を得ているっていう証拠だろ?

でも「●●君は確固たる価値観があってステキ」とか、「●●先輩は自分のポリシーを貫いててステキ」とかね、全く意味不明だZe。
そりゃあんたから見りゃ、素晴らしいものとして映ってるのかもしれねえけど、第三者から見れば、その人知らねえし、そもそも伝わってこないから、価値なんてねえんだYo。
というか、わからない。
広い土俵に上がらなきゃ、その価値がステキなのかどうかなんて判断つかねえはず。にも関わらず、ステキなんて思ってるのは、ほんとお前だけが思い込んでるだけ、思いこみだろうが!?

ていうか、その●●君だとか●●先輩の価値観を信じることで、自分を肯定しているに違いねえ。

そうじゃねえのか?

●●君や●●先輩は、コンプレックスを肯定してくれる、自己愛を満たしてくれる等、自分にとって都合のいい価値観を供給してくれるから、そいつらの価値観を「いいもの」として選択して、このブログとかで出されてる価値観は、見ざる聞かざる言わざるの態度で排除しているんじゃねえのか?
それは結局、「逃げてる」ってことなんじゃねえの?「甘えてる」んじゃねえの?
清濁併せ呑めYo!?
俺みたいに、お前を否定するような人間、お前を否定するような言説に直面した時でも、耳を傾ける覚悟を持てYo!!
それって大事なことなんじゃないの!?

まあ別に逃げてもいいのか。それで上手く事が進むなら、それはそれで問題ないのかNa。

はぁ、なんか説教臭くなったNa。
こんな話しても、面白くないか。

というわけで、その要望に応えて、すごい面白い話でもするか。
面白い話してほしいんだろ?

「面白い話してよ〜!」
「いやいやそれ、ムチャ振りだから!!」
「そんな、ショートバウンドで送球されてもね・・・」
「それ、出オチやから。羽毛田長官やから!あっ、もしくはアメリカマイナーリーグ所属のショーン・オチンコやから!!(←しつこい)」

みたいNa、いい加減にしろYo?
この野郎!

もうそういう「ムチャ振り」とか「出オチ」とかいう言葉、お前は昔、使ってなかっただろうが?
何かテレビで芸人がそういうツッコミしてたから、ちょっとそれに影響受けて、つい「ムチャ振りだから」「えええ〜っ(松本人志)」発言を無意識にマネして多発してしまうという、情けない事態が生じてるのさ。

結局お前は二番煎じ、画一的なコミュニケーションスタイルに取り込まれてるってことDa。そんなので爆笑取れると思ってんの?駄菓子屋で売ってるメンコで、ガラパゴス諸島とかにいるデカい亀をひっくり返そうとしているようなもんだZe?
「笑い」ってのはYo、肉まんをおかずにして、ご飯を食うってことだろうが!?
わかったか?

っていううまい喩えを言ったつもりなのに、全くウケないっていうことが多々ある。
だからもういいの。
1円にもなりそうもない笑いなんてね、もう俺は追及しないんだZe。一時期はまった哲学とか精神分析も、1円にもなりそうにもないからやらないのさ。もっと、少しでも金につながりそうな、英語や簿記やパソコンに力を入れるんだZe俺は。

はぁ〜なんて寂しいやつ。
そんなさみしい考えだから、お前の周りには全然、仲間がいないんだZe。

KJ:「そうなんだよ・・・実は俺、25なっても女の友達がいなくてなさあ。なんつーか、周りの奴らはみんな女連れてよ、楽しそうにしてるのによ、俺はいつまでたっても一人なんだな。秋だしよ、ほんと寂しいんだよ・・・ウウウウジウジ(;_;)」

つうわけで俺はYo、この寂しい守銭奴に、ひと肌脱いでやろうと思ったわけYo。

まあこいつは、DragonAshの降谷建志に憧れてんのか知らねえが、「"ケージェー"って呼んでくれ」みたいNa、影響されやすい奴なんだほんと、もうKJの時代じゃねえのにNa。

で、ケージェーのために、合コンをセッティングしようってことになったのさ。

その合コン作戦が、まあ俺が考えたんだが、マジですごいんだNa。

まああんまり教えたくないんだが、一例を挙げると、豚の角煮に箸伸ばしてる女に「共食いやな〜」とか言ったり、「はぁ〜僕が1番好きなカクテルは、君の黄金水!もちろんロックで。」「あああ、君の小便でシャンプーしたい!」「燃え盛る僕の恋心を、君の"小便"というスプリクラーで消してほしいな・・・」等の暴言を吐いて悪者になり、ヤツを引き立てるという戦法Yo。

自分で言うのもなんだが、この作戦があまりにも効果的すぎて、『プロフェッショナル 仕事の流儀』から出演オファーが来てたんだが、「俺を一風堂と同じにすんじゃねえぞ!?」っつって、鼻毛と髭がつながってるNHKの不潔ディレクターに塩ぶっかけて追い払ってやったZe。

俺のこのテクは、チェーン店のラーメンとは違うんだZe?
毎日毎日、同じスープ、同じ麺の硬さを維持するだけでも難しいのにね、それをテレビ番組なんかで披露しちまったら、我流のクセに「しかばね直伝」とか、わけわかんねえこと言う糞野郎が出てくるに違いねえ。俺の"のれん"は、安くねええんだYo!
だから『情熱大陸』の出演も断ったんDa。

ただ、このブログに行き着いてくれた人だけには、教えてやる。『プロフェッショナル 合コンの流儀』ってやつをNa!

じゃあ伝授してやるか。

やっぱ第一に、行動力。「合コンを企画する」という行動力、この時点で、凡人には真似できねえ。

そして自己犠牲の精神。俺は嫌な男を演じるために、一般に女に好まれそうなこととは真逆の事をやる役を引き分け、KJには正統なふるまい、ジェントルかつセクシー、時にハードボイルドな所作を指導した。

合コンは男女5人づつ、店名は伏せておくか、とある銀座のビストロで行われた。俺達5人は、あらかじめananを買い込み、女共が発するであろう質問や、行動までをも完璧に予測し、話す内容やふるまいを詳細に記したシナリオを準備していた。

占いの時に使う水晶玉まで持ってきた俺の用意周到ぶりに、仲間達はビビってたってNa。
女は大抵占い好きだからYo。

しかもさらに、俺が自分のウエストポーチから、水晶玉を置くための紫色の座布団を取りだした瞬間、そのすごさに仲間の1人が失神したZe。
この時俺は、すべてがシナリオ通りに、うまくいくと確信したね。

俺は水晶玉と座布団を、「ここぞって時に使えよ」と、KJに渡した。
で、俺はふと思った。
「その格好はなんだ?」と、KJの姿に驚いたんDa。

KJの野郎は、「ヴィトンの財布&デニムハーフパンツ&ドルガバのベルト&裸に皮ジャン&白いハイソックス&オメガの時計&テンガロンハット」みたいNa、「ステーキもウナギも食べたい」みたいな欲張りなファッションだったのさ。「そりゃねえだろ?」って、俺はKJを叱咤したね、おしゃれはワンポイントに留めるべし。

ファッションは第一印象を左右するだろ?「相手に良い印象を与えるための服装」で重要視すべきなのは、やっぱり"清潔感"。
「もっと清潔感出してけYo!」と、ガツンと言ってやったZe。

俺はKJの服を脱がし、清潔感を強調するため、衛生服、白い帽子をかぶせて完璧に仕立てた。今すぐ、どこかの食品工場でも働けるんじゃねえかのか?ってぐらい、清潔感はバッチリYo。
ワンポイントのおしゃれも、胸に箱根駅伝のペナントを付けて完璧。「こいつより清潔感のあるやつはいねえ!」と、確信したNa。

対して俺は、汚れ役を引き受ける。グランジな感じを演出するために、しょっつるに1週間つけておいたTシャツを着用。KJを引きたてるため、悪趣味なワンポイントとして頭にポリバケツを被り、虚無僧を気取った。両手にこども銀行の札束を握り、成金っぽさも演出した。

で、お約束の自己紹介Da。さわやかさと、ちょっとした謙虚さがあれば好印象に違いねえと、俺達は考えていた。

さわやか&謙虚・・・自己紹介、KJが斬り込んだ。

「ヘイ・ユー!俺は名乗る程の者じゃないから、名乗らないけど、どうぞよろしく!名前がないと不便な時は、甲とか乙とか呼んでくれればいいよ!」

はぁ〜キマッた!
どうYo?

俺の完璧な仕込みの甲斐あってか、さわやかさ全開の上に、若者とは思えない謙虚さ、完璧な滑りだしDa。さすが我が友。

さらに俺はKJを引き立てるため、こうキメた。

「ねえ、俺とバンドやらない?当方、ゆで玉子と生卵の見分け方を担当。もちろん全パート募集。完全プロ志向だから死ぬ気でやれるヤツ、ヨロシク!尚、魂がロックじゃないヤツは全員、ドラム缶にいれて海に沈めるからNa。」

で、趣味とかの話に入るわけだNa。

これまた無難な線で。「あまり変わった趣味を言うよりは、誰でも好きそうなものを挙げたほうが、話が弾むに決まってる」と、俺達は解釈していた。だがテニス、スキー、ドライブみたいなのは有りがち過ぎるから、もう少しひねった趣味を言おうと決めていたんだNa。

もちろん、KJはあくまでもさわやかで、正統派で攻めた。

「僕は卓球が大好きで、気が付くと素振りとかしちゃうんだよね。もちろん、ゴハンを食べるときもラケットを使うし、靴を履くときだってラケットを靴べらとして使うんだよ?卓球ってホント、楽しいよね。君達も大好きでしょ?あ、そうそう、ウィンタースポーツでは、そり滑りをやってるんだ。あの、うまく曲がれない感じや、コケない限り止まれない危険な所が大好きなんだ。ま、1シーズンに3、4回はいろんなものに派手に突っ込んでは破壊するから、ちょっとお金のかかるスポーツだけどね。あとは自転車乗りとか好きだな。あ、あと近所のちびっこ達と一緒にプラモを買いにいったりしてるよ。」

ク〜!すげえ!!

俺が用意したシナリオ以上のことを言いやがった。「占いが趣味」っていう設定で、水晶玉と座布団まで用意してやったんだが、俺が心配する必要はなかったみたいDa。

だが油断はできねえ。俺は自分の役割、KJを引き立てるため、女共を攻めた。

「俺はYo、投網が趣味だNa、やっぱし。フナっことか捕るの最高だNa。つうか、なんだてめえら、その目は!?俺は密漁なんてしてねえぞ!?この野郎!ちゃんと漁業権を持ってんだからNa?コノヤロ!俺はYo、そういう、コソコソした事が大嫌いなんだZe?わかったか!?このバカ!で、他には、密入国とか好きだNa。あのスリルがたまらねえ。遠足で一番楽しいのが前日の準備であるのと同じで、パスポートを偽造したりしてる瞬間が一番楽しいんだよNa。」

てな感じでひと通り趣味の話、フリートークを交えた後、KJの絶対すべらない話。

「僕が小学生の頃なんだけど、家族5人でハワイ旅行に行く事になったんだよね。そんで、出発直前、空港でオヤジが家族の人数を数えたら、どうしても1人足りない。何度数えても4人しかいないんだ。オヤジ以外の誰が数えてもやっぱり4人で、こりゃ出発するわけにいかないな、と泣く泣く断念したんだよね。で、後でよく考えたらみんな自分を数えてなかったんだよね。オヤジはあまりのバカ家族ぶりに嫌気がさして、家族を解散しちゃったんだ。だから、僕達は今、バラバラに暮らしているんだよ。オモシロイでしょ?ワッハッハ〜!」

俺はとことん、引き立て役を忘れない。
間髪いれずに、俺様のすべらない話で盛り上げた。

「なんつうかNa、となりに住んでる爺さんの淡を吐く音がうるさくて最近、困ってんだよNa。老人ってYo、意味なく早起きだろ?俺がいい気分で寝てるとYo、『カーッ、ペッ!』てな音が毎朝聞こえてきてYo、今じゃこれが目覚ましがわりになっちまってってわけDa。まあ便利なことは便利だけどYo、精度に問題があってNa、いつも決まった時間ってわけでもねえんだNa。早すぎる時は『おいおい、まだこんな時間じゃねえか』って迷惑この上ないし、遅すぎる時は逆に、『あれ?ポックリいっちまったのか?』と心配になっちまう。まったく、悩ましいNa〜ワッハッハ〜!」

てな具合に、いい感じに会話を進めてたわけだが、ただ楽しいだけでは印象に残らない。

やっぱ、男はガツンと夢を語らねえとNa。夢を持たない男なんていうのは、クリープ現象の起きないオートマ車みたいなもんだからNa。

で、KJはそういう局面でも、しっかりキメやがった。

「やっぱさ、スポーツの後とかって、蛇口からポカリが出てくるといいよね。あと、雲が綿飴だったら良いなあ〜。ジャンプも週に2回発売されればいいのになあ〜。あと、ヤクルトの1升瓶とか出ないかな〜!呑み応えあるだろうなあ〜!ああ〜生きてるとほんと、夢がイッパイあって良いよね!」

もちろん俺は、汚れ役を忘れない。

「結局な、人間なんってのは、灰になっちまうんDa。それなのにガツガツ生きてどうすんだYo?夢なんか持つもんじゃねえYo。俺はYo、もう、すっかり醒めてるからYo、山奥にでもこもってワン公とでも一緒に暮らすつもりなんだNa。そんで、餅とか喉に詰まらせて死ぬに決まってるんDa。ああ、なんで俺は生まれてきてしまったのか!」

てか、これはもちろん、俺の本心じゃないから、とても辛かった。
だって俺は、ビッグな夢を持つ、熱い男だからNa。
でもKJの為、と思ってこらえたZe。辛くてたまらなかったが、それでもこらえたのさ。

これだけ頑張ったんDa。女共の興味は、KJに集中してるに違いねえ。
これで彼女の1人や2人、余裕でできるに決まってる!

そう思った瞬間、最悪の事態が生じた。

店を出た瞬間、サプライズとして、空に向かって放つつもりで用意していた白い鳩100羽がYo、店の中に入ってきちまったんDa。

店の中は騒然となり、合コンどころじゃなくなってNa。
鳩!鳩!鳩!
もの凄い在り様だった。
この糞公害で、女共は速攻で逃げ帰っちまった。
今までの努力が水の泡ってわけDa。

「ったく、こんな鳥が平和の象徴とは皮肉なもんだZe」と、俺とKJはうなだれた。

帰り道、俺達は肩を落として歩いた。
KJは悲壮感たっぷりに、こう言い放った。

「屍、今日はほんとにすまねえ。お前があそこまでやってくれたのにな。もう俺、恋なんかしねえよ。」

「はぁ?」とね、俺はガツンと言ってやりたくなった。
「"恋"にすら至ってねえだろうがテメエは?恋してる自分に酔いたいだけだろうが?失恋の気分に酔いたいだけだろうが?」ってNa。

でも俺は、敢えて口にしなかった。
それが友情ってもんだろ?

はぁ、ほんと俺って、いいやつだNa〜。

否!

お前に言っておくZe。

「いい人」ってのはYo、実は「(どうでも)いい人」、"どうでも"が省略されてる可能性が高いんDa。

そう、お前は"いい人"ではなく、"どうでもいい人"なのさ!
何お前、「いい人」とか言われて喜んでんの?
ハッハッハッ〜!キャハハ〜!(笑)

てか、もしかして"死んでも"が省略されてたりして!?
"死んでもいい人"かもよ!?

ヒャ〜ハッハッハッハ〜!(爆笑)
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